下ネタについて

Advent Calendar、一日遅くなってしまいましたが、10日目です

https://adventar.org/calendars/2273

 

ある時下ネタは逃げだと言われた。なるほど、そういう発想もあるのかと思った。そこまで深く考えたことなどなかったけれど、下ネタというは万国共通の話題であり、つまり言ってみれば誰にでもわかる初心者向けのテーマであって同時にチートのような存在で、安易な下ネタに頼って笑いを取ろうとする姿勢が卑しくて男らしくなくて許せなかったり、快く思わないということなのだろう。チートを使ってゲームをプレイすることに抵抗があると言われてしまったら、そっか……としか返す言葉がない。


たしかに僕は下ネタに甘えていた部分があった。下ネタに依存しきっており、薬物中毒者のようになっていた。何でもチンポやまんこに関連付けないと気がすまなくなっていたし、カタカナ三文字の単語が全部チンポに見えるようになっていた。SNSで一日一回チンポと投稿しないと自我が崩壊しそうにもなっていたし、チンポを擦ったら白濁の液体が出てきて、お母さん!?お母さーん!!!って相談したこともあった。明らかに度が過ぎていた部分があった。
何でもかんでもとりあえずチンポと言っておけば良いという気持ちは間違いなくあり、電マをあてがっておけば女性器なんて濡れるのだろうみたいなノリで非常に安易だった。不快に思った方には深く陳謝したいと思う。

 

別の機会に、下ネタは不愉快だと言われた。そもそもの話だが、どうやら下ネタというものは好き嫌いが大きく別れるものらしい。それもそうだろう。世の中にはギャルに顔面騎乗されながら窒息死したい人がいれば、衛生さを欠いたスカトロプレイがきっかけで病にかかり亡くなりたい人もいる、そういうことなのだ。僕は前者なので、そうなってくると下ネタが嫌いな方々は後者ということになりますが、せめて衛生面には十分配慮したほうがよいのではないかと僕の方から口を挟ませていただきます。

 下ネタが嫌い?まあいいだろう、そういう人もいるだろう。僕だってグロテスクなのは嫌いだ。でも世の中にはグロテスクなのが好きな人だっている。人それぞれなのだから、下ネタが嫌いな人だって当然いるだろう。
だがしかし、そう表明する前にまず己を振り返ってみて欲しい。人の発言にケチをつけるのはいいけど、お前はどうなんだと。
女性器を見たこともないようなウブなネンネや、チンポはパパとホモ同人でしか見たことがないみたいな生娘に非難される分には僕は素直に非を認めたいと思う。深々ときちんと頭、陰茎共々を下げ、擦り……間違えた、謝りたい。下ネタを発することに酔って不快な思いをさせて申し訳ありませんでしたと。

 

でもインターネットで下ネタにNOを突きつけて、私そういうの嫌いだからとかのたまう方々って違いますやん?下ネタにはNOを突きつけるくせにチンポを突きつけられたらYESと言ってしまうような人ばっかりですやん?女性器に茄子を挿入しすぎて頭までボケナスのクルクルパーになっちまったのような人ばっかですやん?
やれ週末は彼氏とお泊りセックスだの、飲んだ後に元カレとエッチだの、サークルで彼氏でもない男とヤッちゃっただの。下ネタが嫌いだとか言いやがる人ってそういう人たちばっかじゃないですか。お前の股ぐらは千夜一夜物語かっつーの!オープンセサミかっつーの!アブラデカマラ(気持ちいいの気持ちいいの(精液と一緒に)飛んでいけ〜)かっつーの!
自分の生活のサイクルの中できちんとやることやってっていうかハメるだけハメたおしといて性に対して満足で、これ以上余計なものは摂取したくない、もうチンポもザーメンも要らない、お なか(膣内)いっぱい。だから私にとってあなたは不愉快、そういう方々ばっかじゃないですか。

 

申し訳ないけれど、僕にはそんな人達の発言を飲み込む度量はない。
下ネタが嫌い?じゃあお前の咥えた彼氏のチンポはなんなんですかって話ですよ。あ?歯ブラシかなにかと間違えて咥えちゃったのか?寝坊して、いっけなーい遅刻遅刻〜って言いながら顔洗って歯を磨いてるつもりが寝ぼけてて実は彼氏のチンポだったのか?意味がわかんねえ。意味わかんねえよ。ああ、この感情をどう言語化したら良いのだろうか。働かずに毎日遊び歩いていてもお金に困らず暮らしていけるような環境の中で生活している人に、世の中お金じゃないよと言われて納得がいかねえような気分だと表現すれば伝わるだろうか。

 それに引き換え僕はと言えば、インターネットでやれうんこがどうだのチンポがどうだのと書き捨てることしかできない。哀しきピエロですよ、ピエロ。ていうかそれくらい許してくれてもよくないですか?愛い奴めみたいな感じで可愛がってくれたっていいじゃないですか。
公表できる性生活があんならしてえよ、僕だって。「ま」っていう文字を見ただけで鼻腔から磯の香りが漂ってくるまでクンニしすぎてノイローゼ気味とかそういう風になりてえよ。
それなのに、それなのに、自分たちはお腹がいっぱいだからという理由でそんな僕からそういった行為さえ奪おうというのだ。

 

はっきり言おう、戦争だよ、これは。サーカスにピエロが必要なように、インターネットに下ネタは必要なんだよ。下ネタが嫌いだ?うるせえ黙っていろと。LINEでもやっとけ。LINEで彼氏と、全文英訳したらファックミーにしかならねえ文章のやりとりだけやっとけ。
他人の性生活にとやかく口を挟むつもりはないけれど、僕はチンポをしゃぶったことはないし、股ぐらにもケツの穴にだってチンポを挿入されたことだってない。それなのに毎週彼氏のチンポしゃぶっていてあまつさえアナルセックスに勤しんでいるような、セックスのしすぎて股ぐらがおかしくなって歩き方がに股になっちゃうような人になんぞ下品だなんて言われたくはない。
そういった方々と、ネット上でちょっとはしゃいでチンポがどうのだと騒いでる僕のほうがよっぽどイノセント、ピュア、プラトニック、プラトニックラブでシコった、なのだ。
それなのに完全に汚れきった人々が綺麗な僕に下品だ不愉快だなんだいうのってもう意味がわかんないじゃないですか。はっきり言って、彼氏とさんざんハメ倒してる人に下品だなんだと言われるのは、殺人鬼にサイコパスだって言われてるような気持ちになるとでも言えば良いのだろうか、とにかく納得がいかない。

 

そもそもですよ、下ネタは慎むべきみたいな風潮ありますけど、いい大人が人並みに恋愛をすれば、性交渉っていうのは避けては通ることのできない道だ。アナル激しくて膣ガクガクだか頭隠して尻隠さずだか知らないけど、僕からしたら性表現は暈すなんてちゃんちゃらおかしいし、本質にたどり着けないだけであって、性を避けたらそれはおままごとでしかない。恋愛と性は線でつながっているのに、恋愛だけ求めてそれ以外は結構ですなんて、どうかしちまってるとしか思えない。寿司のネタだけ食ってシャリだけ残す外国人じゃないですか、そんなの。
アーティストが恋愛について歌うように、僕がセックスについて文章を書いているだけで、やっていることはほぼ同じようなもんなんですよ。つまり僕は陰茎をかき鳴らすミュージシャン。サンキュー!いや意味わかんねえけど。
犬も当たれば棒に当たるというように、竿と竿とで棒に当たるっていうんですか?こう、竿と竿を、映画E.Tの怪我して指と指をくっつけあうシーンのようにくっつけあうんですよ、そんで事が運んで最後はE.Tのあの自転車で空を飛ぶシーンのようにおちんちんも天へ昇るように射精。つまりE.Tって兜合わせして射精するっていう内容の映画だったと。は?

 

愛情ってインターネットにいるみなさんは欠落しているのでわからないかもしれないですけど、基本的には全人類に共通して存在する感情なんです。世の中の人間が抱く関心事の多くは結局恋愛沙汰についてなわけだ。で、先程も述べたように性っていうのはそこに付随してくる。つまり人類が愛という感情を失わない限り、性っていうのは必然なのである。
それでいて愛だとか性だとかっていうのは厄介なことに決まった答えがなくて、そういうのを諸々踏まえた上で、人間は昔からそれに対して、どうやって向き合っていくか、どう表現するかとそれぞれが悩み悩んで表現してきたわけじゃないですか。文学、哲学、音楽、絵画、様々な表現方法を使って。だから別に下ネタは悪だとかそんなんじゃない。むしろ積極的に向き合っていかなければならない。だから僕は下ネタを逃げだとは思わないし、謹んだり隠すべきだとも思わない。
僕の表現がチープで全く面白くない、見るに堪えない、不愉快だっていうのは僕の力不足であり、僕が悪いのであって、そこに対しての批判は重く受け止めたいと思うが、僕だけの問題であり、下ネタは悪くない。
無条件反射的に下ネタに対して拒否反応を起こしている人は、一度改めて性というものについて向き合ってほしいと、僕は切に願う。